トランク・シアターはその名の示すように、トランクひとつでも上演可能な
実験的演劇を目指す集団です。
機動性を生かすことのできる上演スタイルにより僻地での上演や少ない観客組織下での
上演、国外異文化との融合による文化交流を可能にし、様々な状況下の人々をも
新たな観客として組み込むことから、より広範な演劇活動を行おうというものです。
その上演では、必要最小限の劇効果を用いるだけの 雑物を取り除いた舞台上で、
俳優の肉体が物語るというスタイルをとっているため、必然的に俳優の肉体表現の
可能性を問い直す作業が求められます。
必要以上に書き言葉をなるべく排除していくことから活動が始まり、演劇の
源泉でもある肉体ののもつ詩的言語を探求し、それをより、有効にするための
方法として、さらに音楽との出会い融合を、積極的に取り入れています。
最近では殆どの音楽を俳優自ら演奏し、そのブラスの響きがたいへん好評です。



1989 6 トランク・シアター結成
1990 2 東京ドイツ文化セシターにて旗揚げ公演プレヒト作「マハゴニー」より
「BALLADE VON 1990」
1990 3〜4 「BALLADE VON 1990」にてドイツ巡演 (ボン・ドルトムント東ベルリン)
アナーキ−な旅芸人との評価を得る。
1990 9 山梨県津金の野外舞台自然舎柿落とし公演参加
港区演劇集参加
1991 6 森都のり、文化庁芸術インターシップ国内研修員に選出。
〜プレヒトを取り巻く音楽家−ヴァイル・アイスラー・デッサウ〜
1992 2 「女優達のクルト・ヴァイルコンサート」東京芸術劇場小ホール1
企画・構成/森都のり プレヒトのソングと詩を中心に構成。
1992 6 守屋瑠美、文化庁芸術インターシップ国内研修員に選出。
〜プレヒトからハイナ・ミュラー〜
1992 9 ハイナ・ミュラーシンポジウム「景清」にて参加
1993 1 東京芸術劇場小ホール1にて「山猫レストラン」
(宮澤賢治作:注文の多い料理店より)
音楽監督にジャズピアニストの黒田京子を迎える。
身体表現に加え、より音楽的要素が強くなった舞台。
芸術文化振興基金助成事業公演
1993 10 「BALLADE VON 1993」公演
東京/中野テルプシコール・門前仲町天井ホール  大阪/谷町劇場
1994 2 東京芸術劇場小ホール1「ルル/地霊・パンドラの箱」(作:ヴェデキント)
オランダの現代音楽フルート奏者、ウィル・オッフェルマンズを迎えて、
ドイツ表現主義の作品を必要最小限の台詞で構築した。
芸術文化振興基金助成事業公演。
1994 10 門前仲町天井ホールにて「アチャラカ・カヴァレット〜月夜の晩だよ三文芝居」
女性だけのカバレット。照明、音響など全て出演者が操作した。
俳優たちが楽器演奏に初めて挑戦した。
芸術文化振興基金助成事業公演
1995 2 東京芸術劇場小ホール1「朝から夜中まで」(作:カイザー)
ドイツ表現主義の芝居を音楽の要素を強く押し出して公演。
1995 3 ドイツデッサウ「クルト・ヴァイルフェスティバル」参加
デッサウ・ベルリン・ゲッティンゲンを巡演。
1995 10 門仲天井ホール「山猫レストラゾ 95」
劇場全体を森に見立てて、観客を巻き込んだ芝居づくりをした。
1996 2 東京芸術劇場1「タイタニック号の沈没」
タイタニック・プロジェクトとの共同公演。
芸術文化振興基金助成事業。
1996 12 東京ドイツ文化会館ホール「BALLADE VON 1996/TOKIO スケッチ」
都市の持つ矛盾と現代人の生きかたに焦点をあてた音楽構成劇。
ドイツ文化センター協賛。
1998 3 ドイツデッサウで行われる「クルト・ヴァイル音楽祭」に招晴公演。
デッサウ・ベルリン・ポツダム・ミュンヘンを巡演。
1998 6 東京両国にスタジオを構える。
1999 2 トランク・シアター本所スタジオ「ミヒャエル王子物語」
プレヒトの「コーカサスの白墨の論」を再構築して俳優4人で演じた作品。
2〜6月の定期公演を試みる。
1999 6 トランク・シアター本所スタジオ「山猫レストラゾ 99」
より音楽性が高くなる。
1999 11 トランク・シアター本所スタジオ「カバレット」
矛盾した現代人の生活をポップス・歌謡曲など様々なジャンルの音楽と
歌を織りまぜたカバレット。
2000 10 トランク・シアター本所スタジオ「風の又三郎」「北守将軍と三人兄弟の医者」
ファミリー劇場。地域のこどもたちを招く。4人の又三郎が出現した。
2001 4 トランク・シアター本所スタジオ「チャンコ」
現代人の幸せ探しを描いた創作音楽劇。音楽は黒田京子。
2002 4 トランク・シアター本所スタジオ「もしかしてうまやばし」
プレヒトの「三文オペラ」をトランク・シアター流にアレンジした作品。
ヴァイルの音楽を全て日本のポップス風にパロディ化した。
2002 12 クリスマスコンサート。本所スタジオ。
近所の子供達を集めて一緒に遊びながらのコンサート。
「北守将軍と三人兄弟の医者」とコンサートの二部構成。
2003 4 「哀歌〜エレジー〜」
アイスラーの歌曲を主体に構成されたオムニバス劇。
人々の幸せを見つめる。
2003 4 シアターX「TOKiO BALLADE」
日本の戦後復興と経済成長の中で人々が手にした幸せと失った
ものは何か?アチャラカ・カバレット。
シアターXブレヒト演劇祭参加。
2004 2 「金色夜叉」スタジオ公演。
トランク・シアター初の和物。昔懐かしい歌謡曲にのせて
ノスタルジックなムードが大好評。
2004 3 子どもゆめミュージカル「ドリーム〜未来へのおくりもの〜」
横浜市芸術文化振興財団、港南区役所主催。公募市民による
ミュージカルを上演。トランク・シアターのメンバーが指導、製作。
2004 7 千葉県高校演劇研修会に講師として招かれる。高校生150名に
芝居、歌、ダンスを取り入れてトランク・シアター流アチャラカ
カバレットを経験してもらう。
2004 8 岩手県花巻市宮澤賢治生誕祭に参加。「音楽劇・風の又三郎」
岩手県ゆた文化創造館、神奈川県ひまわりの郷、カナックホールにても上演。
2004 11 「ステップ・ヘブン」シアターX。
ブレヒトの「ハッピーエンド」を土台にトランク・シアターが
再構成した音楽劇。役者達のブラスにも磨きがかかる。
2005 3 「音楽劇・風の又三郎」九州公演。
福島県杷木町で開催された国際子どもフェスティバルに参加。
演出にも大きく手を加え、より手作り感覚が強く新鮮になった。
2005 4 「音楽劇・風の又三郎」スタジオ公演。
2005 11 「ドリームロード〜七つの約束〜」シアターX。
ブレヒトのバレエ劇「七つの大罪」をトランク・シアター流に
斬新にアレンジしたアチャラカ・カバレット。
2005 12 子どもゆめミュージカル、2005年度版を製作。
横浜「ひまわりの郷」にて上演。